企業年齢と被用者の関係

 それほど多くの会社を知っているわけではないのだが、最近になっていくつかの企業を見て思ったことを書く。
 それは、企業の年齢とそこで働く労働者の責任感との関係についてだ。企業年齢がある程度以上になれば、そこの労働者には当事者としての意識が希薄になってくるように思えたのだ。逆に、企業の創立が間もないのであればそこにいる人々には安穏とした様子があまりない。
 以上の現象は仕方がないのかもしれない。ある程度以上の年齢の企業ならば、外部者からは「信頼」を勝手に得られやすいため、それをそこの労働者には利点として享受しうる。またそれを少々損なってでも、労働者は飯の食い上げとはならない。そのような環境によって個人レベルでの変革が生まれにくくなってくる。明日も今日と同じ、だから何もしなくなる。企業年齢とは別だが、自分以外の働き蜂が会社内にいてくれたら、ますますそうなりやすい。
 一方で発祥間もない企業だとそういう呑気なことは言っていられない。人間、多少のミスもするものだと思うがそういう点も最初から信用に響いてくるのである。一方で平常心を保ちつつ、他方で何とかしなければと心の底から思わざるを得なくなる。そして本当にミスが起きたとき、本当に本当に自分に責任があるんだと痛感せざるを得ない。いや、これは当たり前のことだが。