ネパール人再論

http://www.nhk.or.jp/fudoki/150925broadcast1.html
http://www.moj.go.jp/housei/toukei/toukei_ichiran_touroku.html

 ネパール人について最近、再び思うことがあった。
 それは、彼ら彼女らはたいてい、日本という国を高評価し、そしてこの国で働いて住み続けたいという希望を持っているが、日本人の方から見ればそういうことを知っている者はどれだけいるのかということだ。

 いやそもそも、在日ネパール人がいかに多いかを実感している人はどれほどいるのだろうか。
 法務省によれば、2015年12月現在、在日ネパール人は約5万、その内留学生は約2万。日本への留学生が約25万、その内、1位の中国人が約10万、2位のベトナム人が5万であり、ネパール人は3位。ちなみにネパール人総数あたりの留学生の率の高さは国別では1位のようだ。
 自分としてもこの数値が自分の想像とは違っていたために、改めて驚かされた。なお、この法務省の統計はどの国がどの理由で日本で滞在できているかを示してくれている。「実際に日本国内にその人が居る」という、骨を折るような目に見える行動を起こす他国民がどれほど世界にいるのか、そういう意味での世界の日本への関心が分かるようだ。これはマスコミが伝えるような日本の文化が中心の「関心」とは違う視点だと思う。

 さて、そういう国か来ている人が年々、増加している。他ならぬネパール人も、先に来た方が後から来た数の多さに驚いている。そういう彼らはどういう食い扶持を探すのだろうか。
 それはたいてい、日本人がやりたがらない仕事ではある。そのたいていでは、己の身体を使ってのパフォーマンスが要求され、かつ日本人にはそのシーンが見えないような所で働いているのである。
 そのためか、生粋の日本人からしては、ネパール人の存在というのをあまり実感しないのではないかと思う。
 なお、あくまで私の想像だが、ネパール人が不可知的なのと同様の、もっと徹底した理由で、数で勝るベトナム人がもっと見えにくいのではないかと思う。ネパール人の話す日本語とベトナム人の話すそれとを聞き比べた印象だが、たいていベトナム人の方があまり上手くない。発音、ストレス、リズム、イントネーションが外国語スピーキングでは重要だと思うが、ネパール人の方がなぜかいいのだ。ただし、あくまでも基準は「ベトナム人の話す日本語」ではあるが。