国民年金

 国民年金後納制度について。
 先月末で、過去10年間に遡り未納の国民年金を支払う制度が終了した。なお、この支払いを「後納する」というそうだ。なお、この10月より、過去5年間に遡るだけの同様の制度が新しくスタートした。
 自分のように、この後納制度を利用した人はどれだけいるのかは知らない。自分は2回に分けて、合計70万円ほども支払った。後納するのではなく、各月に払えばよかったなと今になって後悔している。

 なお、その後納とは話が違うが、先日、その日会ったばかりの64歳の人から、「(私が)年金を支払って俺らを養ってくれ」などと直接言われることがあった。どうも彼は自分が会社にしがみついていたままこの年を迎えたような人であった。話をしていて何も得られる点は私にはなかった。むしろ大変厚かましい人間だった。乞食を堂々とされても、恥ずかしいと思わなかったのだろうか?
 国民年金制度の趣旨はともかく、具体的な受給者を目の前にして露骨に給付を主張されるのは実に気分が悪い。当該制度趣旨の尊さと比べ、その制度の実行を目の当たりにした感想はそれとは異なるものだ。
 また、こういう受給者による、自分たちだけが良ければよいという考えも疑問である。
 そういえば、年金とは違うが、医療保険にも「自分たちだけが良ければよい」などという考えを持つ者がいる話も人づてで聞いたことがある。その者は食べることだけが趣味だそうで、暴飲暴食を繰り返すという。そして肥満やら心臓病やらの健康疾患を抱え、そのために医療機関に「治療」しに行く。無論、そこで会った医師は食生活の改善を言うのだが、聞く耳を持たずに対症療法だけを受けた後に、「楽しみ」の暴飲暴食を再び行うのだそうだ。そして、これが重要なのだが、この「治療」には、ほかの人々からの保険金が使われているわけだ。
 年金にせよ健康保険にせよ、具体的な様々の受給者を見ると、中にはその権利を持ってよいのかと私には疑問に思う人がいるのだ。
 なお、以上のように書いて単純な受給者バッシングで終わるのではない。
 一応の救いがある。
 国民年金のケースの方だが、64歳になって「自分のもらえる年金が少ない」と嘆くのではなく、その年齢であってもできる仕事、採用される仕事はたくさん現にあるというのが、私の認識である。形になっていない仕事ではない。単純なアルバイトではあるが、当面は収入が得られて心が落ち着くであろうと思う。