退歩

 以下はスマートフォンの使用感についての駄文である。

1.先日、初めてスマートフォンを購入した。

2.よく周囲から驚かれるのだが、私は先月まで一貫してPHSを使っていたのだ。その理由とは、スマートフォンを使用しないからといって結局困ることは最近までなかったから、だった。然るに、PHSの方は月のコストが電話かけ放題、ウェブ視聴し放題、無論電子メールつき等でひと月2500円の維持費。それで私は満足だった。
 しかし、1、2年ほど前からだったか、セキュリティを向上させて、その代償からか、一部の携帯電話等ではもう視聴できないというウェブが目立ち始めた。その代表はウィキペディア。これがPHSでは最初に見られなくなった。そして、しかも私から見ればセキュリティの質が本当に問われるのかが疑問なウェブページまで、見られなくなり始めた。そこで、私はそのPHSを製造した会社、京セラにウェブ閲覧可能ならしめるような対応策を請うた。しかし、京セラからは、そういう私と同じ意見をよくもらうと言い、対応策を検討中と言いつつも、その後今日に至るまで何も動かなかった。結果的に、私としてはこれ以上どうしようもなくなった。それと前後して、日々拡大するウェブ閲覧の制限には徐々に困り始める一方だった。そこで止む無く、私は今回の対応に出たわけだった。
 
3.スマートフォンの機種選定およびサービス契約先の検討においては、機種価格の安さと自分の従来の携帯電話の利用の仕方を考慮し、またも、機種は京セラ製、通信役務提供先はイオンモバイルとした。これは維持費の点、すなわち先PHSのそれを下回るプランを同社が提供しえたからであった。なおこの際、周囲にこの問題について相談した。すると多くは、機種はiPhone がいいと言ってきた(サービス契約先は相談しなかった)。しかし、同機種は価格もスマートフォンの中で高い。よって却下した。

4.そして、昨晩実際に初めてスマートフォンなるものを入手した。以下にその使用感を箇条書きで書く。 
(1)機種の面積がPHSよりも大きい。縦横の長さが各1.5倍ほど。持ち運びに不便になった。
(2)ウェブ視聴においては、PHSならばテキスト主体だったが、今回から画像も伴ったものが平然として現れる。それを見ざるを得なくなった。無駄な装飾を凝らしている感が否めない。なお、そのダウンロードに伴う不必要な通信容量の増加にも不満。
(3)OS が android たることからか、 google による個人識別情報の提供の催告がうるさい。サインイン等、パソコンで済ませるときよりも、いろいろと入力を求めてくる。
(4)機種の消費電力量の変化率の大きさに驚く。PHSと比べ、明らかに電気を使うのだ。
(5)機種を使って文章を書こうとすると、両手を使う。すなわち、一方は機種を持ち、他方は文字の入力等に使われる。しかもPHSに比べたら器用に入力しなければならない。片手でキー操作で済ませられていたPHSの方が便利だったが。
 また、長文を書くとなると、PHSの方がスマートフォンよりもはるかに書きやすかった。よって、スマートフォンでは、短文を書く傾向が強いかと予想する。あるいは、そもそも書く意欲が、その操作性の悪さから、失われないか。その果ては、誰かから送られてくるものをいわゆる「ロムる」行為の繰り返しか。
(6)これはイオンモバイルの過失だが、「050かけ放題」というアプリ(アプリケーション)を通信役務契約締結時に同時に申し込んだのに、その起動に伴うキーとなる情報を機種入手から後日に郵送してくるという(*追伸)。しかもそれを知ったのは、その点を詳細に書いた有志者によるウェブから、という始末だった。

 こうして書くと、(6)はともかく、自分の想像以上にその、維持費には現れないまたは現れにくい負担がスマートフォンにはある。しかも、アプリ(アプリケーション)の使用によっては常に、よく知らない誰かや会社に知られている感じが続く。パソコンやPHSでもそういう点はあったのだが、スマートフォンではそのチェックが強化されてはいまいか。