衣・食・住・静けさ

 よく、線路高架橋下などで段ボールを敷いて寝ているホームレスを目にする。が、最近、気にしてはいなかった。
 ところで、昨日、頻繁に電車が行きかう線路に面した施設の中で、キャンプ用品のシュラフを使って直接床に寝て一夜を過ごす機会があった。
 その計画を立てた際、簡単にこなせるものだと思っていた。
 しかし、実行してみると、
  ・床の固さのため、寝付けない!
  ・冷たい床により背中から体温が奪われる!
  ・終電12時半、始発4時半ごろの路線の電車がうるさ過ぎる!
という事態に直面した。結果、寝たのか寝ていないのかよく分からない有様となった。翌朝、幸い午前中に仕事がないという事情もあって、明け方に逃げるようにしてその施設から出て家に帰って寝た。
 自分には屋内で、温かく柔らかな布団で静かに寝ることができることというのが当たり前になっていて気がつかないで日々を過ごしていたのだ。これができないと、他のことに対する余裕が生まれにくいと思う。無論、私はまだ屋内であったからまだよかったが、さらに屋外で、雨露雪やら風やら虫やら寒暖やらにさらされると、ますますよく寝られなくなることが想像に難くない。
 「衣食足りて礼節を知る」という先人の教えがあるが、個人的には、「衣食住静けさ足りて元気が出る」と知らされる機会となった。