都知事選

 都知事選について考えてみる。

1.まず、都知事選でのマスコミの報道の仕方におかしさを感じる。
 国家と地方自治体の各議会議員に役割区分があるべきと私は普段から考えているのだが、なぜか都知事選では国会議員の発言がかなり取り上げられている。一方で、都議会議員の発言などは報道されているのだろうか。
 また、政党の推薦においても国政のそれと変わらないような報道のされ方である。仮に、例えば「自民党が支援」、「社民党が推薦」といった場合、東京都及びそれ以下のレベルの議員であるのかと思いきや、そういう地方レベルの団体を持っていない国会での政党までもが「推薦」やら「支援」やらをしている(なお、この推薦と支援の違いはよく分からない。ある新聞で書かれてあった表現をそのまま使った)。
 都知事が国会議員に接触する機会はあるのだろう。しかし、都議会議員らとも接触する機会だってある。というか、必ずあるべきだ。なぜか? 後者の方では権力分立の法的関係がある。だから、直接相対するのは後者の方が原則ではないのか?そういう、都知事の直接の敵となり味方なりになる勢力の言動が報道されず、間接的な存在である個々の国会議員なり政党の考えは多く書かれているというのは不可解に私には思える。

2.次に、これもよく分からないのだが、いわゆる争点である。「原発問題」などいろいろと報道されている。しかし、他の自治体を横断するような問題や国家問題のはずの問題も争点に挙げられている。そういうのを都知事が単独でできるのだろうか。
 原発問題に限っては、都は東京電力の株主だから、都知事選の問題足りうるのかもしれない。しかし、原発問題は同時に、他自治体の問題でもある。他自治体は株主ではないと思うが、その発電所所在地の雇用なり国家からの交付金による地域財政なりが絡む問題のはずだ。また、原発は国策レベルの問題でもある。原発問題を語るというのは、そういう人々とも関係することだ。だから、この問題は都政のものでもあり、地域間のもの、国政のものでもある。都知事立候補者でこの問題を取り上げるのであれば、自分がどのように関係する地域や日本国行政府と取り組むのかを話さないといけないことになる。

3.色々と書いたが、以上はすべてマスコミの情報を元にして書いていた。一方、私は、彼らに論じられてはいない問題で関心事がある。それは、都営バス24時間運行、という今、実験されている政策である。
 昼間はいいとして、この政策により、深夜時間帯に労働上、様々な問題があると考えられる。
 まず、バス運転手にとってはどうなのか。乗客の安全を考えて実行するのに深夜は最もやりにくいのではないか。
 次に、乗客。彼らは仕事帰りか、夜遊び帰りか。メリットがあるのは深夜に遊び歩く人だけなのではないか。一方で、深夜の労働負担が増える人々が出てくるのではないか。終電なり終バスなりを逃してしまうからここらで切り上げるという心理が働きにくくなるのではないか。その結果、身体負担をかけてしまう結果になるのではないか。