法的安定性

 「法的安定性」という言葉がちょっと前によくメディアに登場した。
 私自身は初めて聞いた言葉だったため、どういう使われ方をする言葉であるのかをしばらく観察していた。要は、法律が改変されないことへの信頼、ということらしい。そしてその法律を制定した人々への信頼、という意味も含められている。
 確かに、法の支配ということを重視するのであれば、その法の改変回数をある程度は重視するべきだと思われる。もちろん、何もかもをまったく変えないということもおかしいのであるが、では何をいつ、どのように変えるかは論理的に説明しづらい気はする。
 とはいえ、どことなくという感じであるが、今回の安保法制案、いや立法に形式的には深く関わるそもそもの現首相をはじめとした政治家の話す言葉への信頼は、この夏、大きく揺らいだと感じる。元々信頼してはいない連中ではあるが、底無しという印象である。