クーロン電場と非クーロン電場

 静磁場中で導体棒を動かしたらその中の自由電子ローレンツ力によって仕事をされて変位する。そして、導体棒にはその両サイドに変位した正負各電荷が存在するため静電場ができますよ、という説明がある。以上は電磁誘導の勉強の際、外力で動かした導体棒に電流が流れる理由である。よく見かけるものだ。
 しかし私が思うに、この説明には省略されているところがある。
 それは、適当な自由電子が、既に変位した他の電荷により作られているはずの電場(なおこれは、静電場。クーロン電場ともいうが)からなされているであろう仕事を、その変位の際に無視してしまって変位することとなってしまっているからだ。ローレンツ力による場(これは非クーロン電場。静止した電荷の分布による場ではないから)からの仕事だけが、「説明」において書かれているように思う。
 だから、電磁誘導における自由電子の変位においては、この2つの場の仕事の結果として説明しなければいけないと私は考える。